自動配達ロボットを見たことがあるでしょうか?アメリカでは、実際Uber Eatsが自動運転デリバリーロボットの導入を進めています。

2022年からロサンゼルスで開始された自動配達ロボットを使ったこのサービスは、2024年までに他の都市でも展開し、総計2000台の自動配達ロボットを活用する予定です。

その計画の中に日本も含まれているのですが、一体どのようなメリットと課題があるのでしょうか。一緒に読んで学んでいきましょう。

道路交通法改正でロボットの活用

自動配送ロボットが並走して走っている画像

 物流・運送業における労働時間の上限規制により生じる「2024年問題」は、単なる物流業界だけでなく、広範囲な産業に深刻な影響を及ぼすと言われています。

この問題に対する解決策の一つは、デジタル技術を活用した物流の自動化・効率化です。特に、自動運転技術に対する期待が高まっています。その中でも、身近なラストワンマイルの物流を担う自動配送ロボットが注目されています。

ラストワンマイルとは、物流における最後の1区間、つまり物流拠点から顧客へ商品を届けるまでの区間を指します。具体的には、配送センターから個々の家庭や店舗への配送などが該当します。

自動配送ロボットが街を走り始める!

自動配送ロボットは、2023年4月に施行された改正道路交通法によって、主に歩道を走行する低速・小型の「遠隔操作型小型車」として歩道を走行することができるようになりました。

また、ミニカー規格と同程度のサイズで車道を走行する自動運転ロボットの実証も始まっています。この種のロボットは現時点では自動運転車に分類されるため、許可制の「特定自動運行」の制度に基づいて運用されます。

経済産業省は、このような「中速・中型」のロボットに関連する社会実装の課題を整理しています。

遠隔操作型小型車は、配送拠点から1〜2キロの範囲を営業エリアとし、宅配物や飲食品などのデリバリーを無人で行うことが多いです。

自動配送ロボットは、私たちの生活をもっと便利で快適にしてくれる可能性を秘めています。

プラットフォーマーやサービス事業者の連携

男性が荷物を配達し笑顔で受け渡ししている画像(左)真ん中に(→ロボットの時代)自動配送ロボット(左)の画像

  自動配送ロボットのサービス実装・拡大には、ロボットの性能向上だけでなく、プラットフォーマーやサービス事業者との連携が不可欠です。

プラットフォーマーとは?企業や個人がインターネット上でビジネス展開する際に、基盤(プラットフォーム)となるサービスやシステムを提供または運営する事業者のこと。
★例えば、Amazonや楽天市場などのECサイトや、メルカリなどのフリマアプリ、Uber Eatsなどの料理配達サービスなど

さらに、ロボットの開発事業者だけではなく、小売業や配送事業者などがサービスの受け入れを支援する役割も重要です。

大手事業者による自動配送ロボットの実証実験は、単なる技術試験ではありません。未来の物流や移動販売の姿を描き、社会全体に大きな影響を与えていく可能性があります。

ロボットによるフードデリバリーサービス

 2024年3月6日、東京都日本橋エリアでUber Eats Japan、三菱電機、Cartkenの3社がタッグを組み、自動配送ロボットによるフードデリバリーサービスを開始しました!

これは、米国に次いで世界2カ国目の取り組みです。

以下の3社の業務提携でロボットによるフードデリバリーサービススタート!
★Uber Eats Japan ★三菱電機 ★Cartken(カートケン)

3社は2024年2月21日に業務提携を発表し、今回のサービス展開はその第一歩となります。

Uber Eats Japanについて・・・Uber Technologies社の子会社であり、フードデリバリーサービスを提供しています。
このサービスでは、ユーザーがスマートフォンアプリを通じて飲食店からの料理注文を行い、専属の配達ドライバーが料理を受け取り、顧客のもとに配達します。Uber Eats Japanは、日本国内で幅広い飲食店と提携し、多様な料理を利用者に提供しています。
三菱電機について・・・1921年に設立された三菱電機は、日本を代表する総合電機メーカーとして、家電製品から人工衛星まで幅広い電機製品やサービスを提供しています。
三菱電機グループは、「Changes for the Better」というコミットメントに基づいて、「より良い未来」に向けて技術革新と創造力を続け、活力に満ちた社会の実現に貢献しています。
Cartken(カートケン)について・・・Cartkenは、自動配送ロボットの開発企業です。彼らの自動配送ロボット「Model C」は、機体サイズが長さ71cm、幅46cm、高さ60cmであり、最大27リットル/20kgの積載容量を持ちます。また、最高時速は時速5.4kmで、自動停止機能やセキュリティ対策などが備えられています。
Cartkenは、日本の東京都内での自動配送ロボットの実証実験や実用化に取り組んでいます。

どんなロボットが自動配達するの?

 Uber Eatsの自動配達サービスは、AIを活用したCartKenの自律走行ロボット「Model C」を用いて、東京・日本橋エリアで展開されています。

◎ロボットのスペック
・サイズ :長さ71cm×幅46cm×高さ60cm
・積載容量:最大27L、20kgまで
・最高速度:時速5.4km

◎利用可能時間
・平日10時から17時

対応エリア
・日本橋エリアの一部

◎対応店舗
・当初は2店舗からスタート
・順次拡大予定

◎導入背景
Uber Eatsが自動配達サービスを導入する背景には、以下の理由が挙げられます。

・人手不足の解消
・配送コストの削減
・非接触配達の推進
・サステナビリティの向上

◎利用方法
Uber Eatsアプリで注文時に、「自動配達」オプションを選択することで利用できます。

・アプリ画面でロボットの現在位置を確認可能
・到着時にアプリでロック解除
・ロボットから商品を取り出す

通常の配達を選択することも可能ですが、ロボットを指定することはできません。
今後、対応エリアや加盟店を増やしていくとのことなので、あなたの街にも配送ロボットがやってくるかもしれません!

2024年問題と深刻な人手不足

 日本国内では、出前館や楽天などの事業者が自動配送ロボットに関する実証実験や実用化に取り組んでいます。また、自動配送ロボットの開発企業も増えてきており、多くの企業がこの分野に注力しています。

日本では少子高齢化などにより人手不足が深刻化しています。このような状況下で、物流の問題解決策の一つとして自動運転技術への期待が高まっています
Uber Eatsの取り組みがどのように拡大していくかが注目されており、多くの関心を集めています。

ロボット配達のメリットと課題

自動配送ロボットがスピードを出して走っている画像

メリットは以下の点になります。

メリット
・人手不足解消: 配達員の負担軽減と人手不足解消が期待できます。
・非接触配達: 衛生面での安全性向上に貢献します。
・効率化: 配達ルートの最適化や自動運転による効率化が図れます。
・CO2排出量削減: 排気ガスを出さないロボットによる配送は、環境負荷低減に貢献します。

課題は以下の点になります。

課題
・悪天候への対応
・歩行者や障害物への対応
・盗難やいたずらへの対策
・法規制の整備
・消費者への理解

まとめ

自動配送ロボットが停車している画像

 自動配達サービスはまだ発展途上にあり、先述しました悪天候への対応・盗難やいたずらの防止・法整備などまだまだ課題は少なくありません。

しかし、これらの課題を克服することで、自動配達サービスは将来的にフードデリバリーの主流となる可能性があります。

Uber Eatsは、今後も自動配達ロボットの開発と導入を積極的に進めていくとしています。

Uber Eatsは、自動配達サービスを全国に拡大していく予定です。また、自律走行技術の向上や新たなロボットの開発にも取り組んでいくと見られます。

自動配達は、フードデリバリー業界に大きな変革をもたらす可能性を秘めています。今後の展開に注目が集まります。

自動配達ロボットの活躍によって運送における人手不足の問題も解消されるでしょう。

★関連記事:物流ロボットについてはこちらの記事をご覧ください!

筆者から

ロボット配達がこれから更に進展していけば、運送における人手不足やドライバー不足の課題も解決できると感じました。アメリカでは普及しているので今回はUber Eatsを例に出しましたが、近い未来に他の企業でもロボット配達が導入され、日本にも浸透していくことを願ってます。